よほどお父さんを目の前で亡くされた事がショックだったのかその日から寝る時間を削り、毎日毎日、弁の糸を完璧に結ぶ努力を何度も何度も眠気を振り払い必死に努力を積み重ねていく
それと同時に自責の念に駆られ
「俺にもっと手術を完璧にこなせる腕があれば、クソ、そうすれば親父は死ななくて済んだのに・・・クソ、クソ、クソ・・・なんて堕落な人間なんだ俺は・・・親父すまん・・・ウッウッウッ」
そして、努力の積み重ねが功を奏しいつの間にか、日本でもトップの心臓パイパス手術の名医になっていた
努力の鬼、叩き上げの医師川野氏を頼り全国から多くの患者さんが押し寄せて毎日多忙な日々を過ごしていた
しかし、そこで何と国民の統合の象徴である天皇陛下が心臓の手術の必要性があるとの報告が川野医師の元に・・・
報告を入れたのは何と帝東大病院からだった
川野「なんで帝東大病院から俺の元に・・・まさか失敗するのが怖くて俺に執刀しろと・・・これだからエリートは嫌いなんだよ(怒)」
感情をあらわにした川野だが、話くらいは聞いてやろうと自らの足で帝東大病院に向かうのであった
帝東大病院(帝東大理科Ⅲ類卒超絶エリート医師)「あ、初めまして川野先生!お忙しい中、ご足労頂きありがとうございます」
川野「いえいえ、天皇陛下が心臓の緊急の手術が必要らしく私でお力になれる事があればと思い…」
帝東大理科Ⅲ類卒医師「はい、手術に関しましては、当然、私たちでも確実に成功できる自信はありますし
(いかにも上から目線で俺はエリートなんだからできないわけないだろといわんばかりの口調で)手術は成功するという事が必然的に起こると確信しております!ただ・・・万が一の事を考えまして・・・」
川野「万が一?それはつまり失敗する可能性がありそうなってしまうとあなたたちの地位が底まで落ちてしまうのが怖いと言う事ですか?帝東大のブランドを汚すわけにはいかないと!」
帝東大理科Ⅲ類卒医師「いえいえいえ!とんでもない!私たちは患者が天皇陛下だろうと分け隔てなく平等に接する、決して差別するなど考えられない!私は医者です!
医者とは目の前の患者が誰であろうと苦しんでいるのであれば助けなければならない!それが医者の使命であり決してぶれてはいけない部分であります!」しかし・・・
川野「今日はもう遅いですので明日、私なりに考え結論を述べさせていただきたいのですが宜しいですか?」
帝東大理科Ⅲ類卒医師「わかりました、是非前向きに検討していただけますよう宜しくお願い申し上げます」
川野「それでは」
帝東大理科Ⅲ類医師「今日は本当にお忙しい中ありがとうございました、是非前向きに検討していただけますよう宜しくお願いします」
川野「はい・・・」
帝東大理科Ⅲ類卒医師「ちっ・・・落ちこぼれ野郎が!調子に乗んじゃねーよ!万が一の事があったら帝東大の地位が底に落ちるからに決まってんだろ!もしもの事があったならお前のせいにできるからなハハハハハハ」
しかし、後に落ちこぼれ叩き上げ医師が帝東大理科Ⅲ類卒エリート医師を完璧なまでの手術をし、完膚無きまでに叩きのめすのであった
翌日、最終的な結論が出て電話をかける努力の鬼、川野医師
川野「あ、川野です、お世話になっております」
帝東大病院エリート医師「あ〜先生、こちらこそお世話になっております、手術の件考えていただけましたでしょうか?」
川野「はい…私で宜しければ天皇陛下の手術を任せてもらえませんでしょうか!」
帝東大病院エリート医師「おぉ!!そうですか、ありがとうございます、期待しております川野先生なら必ず成功されると思います、宜しくお願いします」
川野「はい、では来週〇時に伺いますので宜しくお願いします」
帝東大病院エリート医師「わかりました、こちらこそ宜しくお願いします」
川野医師の周りの人達「先生!いいんですか、もし万が一の事があったら・・・」
川野「大丈夫!普段やっている事を普段通りにやればいいんだよ!君達にも期待しているよ!」
川野医師の周りの人達「ええ・・・どういう事ですか・・・」
川野「つまり俺達の最強チームで天皇陛下をお助けするって事だ!」
川野医師の周りの人達「・・・いや、やろう、俺達が川野先生を全力でサポートし、必ず天皇陛下の手術を成功させるんだ!」
しかし、努力の鬼、川野にはそれが受け入れられないだろうという不穏な空気を感じとっていた・・・なぜなら
その頃、帝東大病院では
帝東大病院エリート医師「外科部長、川野の奴やるらしいですよ!」
帝東大病院外科部長「そうか、これで万が一の事が起こった場合でも我々のブランドに傷がつかなくて済むわけだなフフフまぁ落ちこぼれの手術のお手並み拝見といくかフフフ」
Part5へ続く…