その日の夜、優也はリビングで寝ていた
ガチャ(ドアが開く音)
和美「優也こんな所で寝てないで…」
優也「あっ…うぜぇ…」
和美「宿題はないの?ちゃんと体にいい物食べたの?」
優也「はぁ…うるせーなー」
和美「私はあなたのことを思って言ってるんでしょ!
そんなことでこれからどうするの?ちょっとは本でも読みなさい!」
優也「もう、うるせーって!本?
あんな時代遅れのもの読むかよ(笑)今は動画で見れんだし」
和美「本にはねぇ、本でしか感じ取れない部分だったり
文章に書かれた一つ一つの文字から多くのことを学べたり
ときには新しい発見あったりするの!
動画ではそれを感じ取る感じとったり学んだりはしづらいでしょ」
優也「あーもう、うるさい!うるさい!
それは母さんが◯◯出版のお偉いさんだから言ってんだろ!
立場的に本なんて読んでも意味がない、動画の方がいいなんて言えないだろ!」
和美「そうじゃないの、本当に本にはね」
優也「あーもういいって、寝るわ」
バタン(ドアが閉まる音)
和美「ちょっと…はぁ…」
うまくいかない子育てに悩む和美と自分の不甲斐なさなのか
劣等感からなのか毎日、自分自身と葛藤する優也
優也「くそ…」
和美「そういえば、もうあの日から15年以上経つんだね…
仕事と子育てが忙しすぎて忘れてたな…」
その頃、飛鳥は家路につこうとしていた
飛鳥「あ〜今日も学校つまらなかったな〜ただいま!」
ガチャ(ドアを開ける音)
飛鳥「岡田さ〜ん、今日のご飯、何?」
家政婦岡田「あぁお帰りなさい飛鳥さん
今、麻衣美さんの方もちょうど帰ってきたところですよ!」
飛鳥「えっ!マジで…」
麻衣美「飛鳥、久しぶりね…ごめんね、お母さん今、撮影している映画の都合でなかなか帰って来れなくて
もう少ししたら、また行かなくちゃいけないの…」
飛鳥「いいよ別に…仕事なら仕方ないじゃん…」
麻衣美「学校はどんな感じ?何か困っていることはない?」
飛鳥「別に何も困っていることもないし、学校も楽しいよ
だから心配しないで、お母さんには迷惑かけないようにするから、安心して」
麻衣美「とりあえず今、飛鳥の大好きな
麻婆春雨を岡田さんに作ってもらってるから一緒に食べよう」
飛鳥「うん…」
麻婆春雨を食べながらお互いぎこちない感じで話あう飛鳥と麻衣美
飛鳥はいつのまにか麻婆春雨、5人前を一人で食べていた
そして、2人きりの食事の時間も終わりを迎えようとしている
Part5へ続く